Monthly Archives: 1月 2010
「死の医学」への日記
死ぬ場所といえば病院が当たり前になったのは、ここ数十年のこと。
それだけに、死が生活と切り離されてしまう。
ある婦人の在宅ケアの例。
辛そうに闘病している婦人の子どもが、足許までしか近寄らない。それを見た婦人の母、つまり子どもたちの祖母が、「お母さんはこうして病気と闘っているのだ」と教える。こうして、子どもたちは生老病死を学んでいくのだ、という話が印象的だった。
もう一つ印象的だったのは、教育・研究が目的の大学病院との対比で描かれる、東京衛生病院。
キリスト教系の病院なのだが、重篤な患者の病室で跪いて祈る看護婦が見られたり、実習に来た看護学生達が、苦痛のために意識障害まで起こす患者にショックを受け、夜に再来して一人ずつ患者の手をとり祈りをつぶやく。その心。なんという心。
1/24読了
俺は、中小企業のオヤジ
ムチャクチャだったけど、面白かった。
物品搬入口が狭かったので、上司に相談せず勝手に木を伐採して整地して広くしたとか、ハンガリー当局から難癖つけられたとき、無断で役所に乗り込んで、赤じゅうたんに油まみれの部品を並べて直談判したとか、武勇伝の他に、言うことがムチャクチャで面白い。
「出来ない理由を言うな」
「議論するといつまで経っても決まらない。ワンマンがいい。ただ情報は集まるようにしておくこと」
「ボトムアップはコストアップ。ボトムダウンはコストダウン。」
「インドに進出したのは先見の明があったわけではない。どこの国でもいいから一位になりたかったので、まだ誰も行ってない国を選んだだけ。」
「小少短美がモットー」
「償却は早めにする。変えるつもりはない。」
「規則を作ると、自分の頭で考えず盲目的に従う人間が出てくる。こういうのが一番頭に来る。」
洗練されたCEOというより、まさに本人が言うとおりの、中小企業のオヤジだと思った。
1/21読了
強い者は生き残れない環境から考える新しい進化論
全体的に、説明が足らない気がした。
こういう話を一般的にわかりやすく書くのは「生物と無生物のあいだ」の人が上手だと思った。
進化論のうち、環境が生物を選ぶという、環境説の話。
産業革命後のイギリスが、煤煙で木の幹が真っ黒になると、もともと白っぽい蛾がかなりの短期間で黒く変化したように、進化というのは思ったよりも早く進行する。また、このように、環境の変化が生き残る生物を選びとる。
で、変化というのは、いつ何時訪れるか分からないので、下手に最適化してしまうと次の変化を生き残れない。
だから、ある環境で最も強いものが生き残るのではなく、そこそこ適応しているレベルの方が有利。
また、環境になるべく依存しない仕組みをもつものが有利。
面白かったのが次の2点。
安定期であっても、遺伝子は常に変化していること(中立説)。種として次の変化に対応できるようバリエーションを増やしているんだと。
過去に大絶滅は5回起こっているが、実は今が6回目の大絶滅期。つまり人間のせいで種の数が激減しているということ。
1/18読了
ザ・ギバー
グリーン革命
生命保険のカラクリ
保険のことなんてさっぱり分からなかったので、とてもためになった。
以下、メモ
保険は、保障の性質を持つものと、貯蓄の性質を持つものに分かれる。
保障は万が一に備えるもの。貯蓄は発生の確率が高い、将来の出費に備えるもの
保険商品は以下の三種類に分かれる。
死亡保障(遺族保障)
医療保障
生存保障(貯蓄)
死亡保障は、本人が死亡したときに保障が受けられる、生命保険の基本。
医療保障は、病気やケガをしたときのもの。ただし公的保障でもかなりのエリアがカバーされる。
生存保障は、将来の出費や、老後に備えるもの。貯蓄と考えれば、なにも保険でまかなう必要はない。現在の金利を考えると、長期間低利率で固定されてしまううえに、保険手数料が馬鹿にならないし、途中解約にペナルティがある。
医療保障にはそれほどメリットはなく、また金利の低い現時点で生存保障にメリットは少ない。
医療保障、死亡保障に生存保障(貯蓄性)を含めているものは要注意。
とすれば、現時点では掛け捨ての死亡保障がよさそう。
完全生命表:厚生省が発表する年代ごと死亡率の一覧
標準生命表:アクチュアリー(http://www.actuaries.jp/index.html)が作成するもの。保険会社が積み立てておく準備金の算出に使用される。
生命保険会社は、死亡リスクを高めに見積もっている。
保険料は、割引を行ってはならない決まり(保険業法第300条)。リスクに応じた保険料を払うことになるので、「病気にならなかったら15万円ボーナス」などという宣伝文句を信用してはいけない。
保険料には、保険会社の運営手数料(付加保険料)が含まれている。
たいていの保険会社は付加保険料を開示していない。
手数料がいくらか分からないのに、貯蓄性のある商品を買うのは抵抗がある。
生命保険会社の利益
死差益: 見込んでいた死亡リスクとの差分。これが多いと死亡リスクを高く見積もりすぎ
利差益: 見込んでいた資産運用利回りの差分。低金利の今では真っ赤。
費差益: 見込んでいたオペレーションコストの差分。
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