Monthly Archives: 12月 2006

どくしょのあき

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アメリカにいた頃、こういう話を聞いた。

移民1世とでもいうのか、何十年も前にアメリカに渡った日本人の話す日本語は

とても美しいのだと。

アメリカで、日本からは隔絶した状態にいたからこそ、昔の日本語が保存されて

いたようだ。

短いアメリカ生活では、そんな人に会う機会もなかった。

一回だけ、会社の取引銀行の副支配人がそれっぽい人であり、ワクワクしながら

わざと日本語で話をしてみたのだが、忘れかけたせいで無茶苦茶になったブロー

クン関西弁であり理解できず残念であった。

今更ながら「レクサスとオリーブの木」

(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794209460)を読んだ。本当は同じ人が最

近著した「フラット化する世界」

(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312795)の方を読みたかったのだが、

果たせずこちらになった。

いわゆるグローバリゼーションを説明した本で、とても面白かったのだが、アメ

リカ人以外は素直に頷けないと思う。

内容を口悪く言うと、「リッチな生活したいでしょ? なら我がアメリカのよう

に経済活動をブーストするような、効率化されたシステムを国を挙げて導入せ

よ。然らずんば死。」というもの。

ただし、グローバル化の波は均質化、画一化の波、事実上はアメリカ化の波、と

ほぼ同義なので、「自分たちの国や地域固有の文化、財産は大事にしようね。」

と言うのだが、まあちょっとアメリカ人が言ってもあんまり説得力がない。

さておき、この本の中では、アメリカシステムをレクサスに喩え、一方の、国や

地域固有の文化、財産をオリーブの木に喩え、それら二つの相克を、沢山のエピ

ソードや引用を基に書いていてとても読みやすかった。

実はこの本は、図書館でやっと見つけて借りたのだが、その際に「国家の品格」

(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106101416)も目に入ったので借りてみた。

意図せず読んだこの本では、「レクサスとオリーブの木」と対比をなすように、

グローバル化反対、日本の伝統の復興が大事、という主張がされている。

もともと講演をベースにして書かれた本らしく、内容も薄くて速攻で読み終わっ

てしまったが、残念な読後感だった。

対比という意味では面白かったのだが、論の進め方が暴走気味で、「オリーブの

木」に大した根拠もなくブシドー精神やらが出てきて吹いた。ちょっとトンデモ

気味だ。

日本のオリーブの木は、アメリカで美しい日本語を話す人のように、日本の外に

ぽつんとあるのかも、と思った。

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