Monthly Archives: 9月 2005

「企業のWindows環境をLinuxへ移行したボクの体験記」翻訳

Pocket

Microsoftのライセンスは超高い。高すぎる。じゃあLinux/Unix環境へ…。

と、IT管理者なら誰しも一度は考える。でも色々考えると心が折れてしまうのだ。

が、インドネシアの「MS Certified ProfessionalでありながらLinuxを愛してしまった男」が、それをやってのけた。

彼がその顛末をFedora Core のメーリングリストに投稿していたので、簡単に訳してみた。

原文は下記。

http://linux2.arinet.org/index.php?option=com_content&task=view&id=110&Itemid=2

当然のことながら、思いつきで訳したので、訳の正確さについては一切責任を持ちません。

必要なら原文をあたって下さい。

 

——————————————————————————

■My Experience and Strategy to Migrate MS Windows to Linux

 

この文章は、MS Windowsから、OpenOffice、Sambaサーバ、dosemu(DOSエミュレータ)を使用したLinuxへの移行計画を立案する際に、何らかの助けになることを目的にしている。

■背景:

もっともっと経済的な別の方法があるというのに、なぜ数億ルピア(数百万円)も使わなければならないのか。

激しい企業競争の時代において、あらゆる効率化が必要だと経営者は理解すべき時だ。 そして周知のように、マイクロソフト・インドネシアとBSAは、ここ数ヶ月、適切なライセンスを持たずに彼らのソフトウェアを使用している企業を追跡しようと躍起になっている。

確かに、彼らがcopyrightを持っている以上、そのような行動は理解できるし、責めることも出来ない。 だが、MS Office のベーシックタイプ(Word, Excel, Powerpointのみバンドルされているもの)は、1ライセンス約150ドル。 つまり100台のPCがある会社は、1,500ドル払わなければならないわけだ。 これに加えて、1台あたり140ドルがOS用として(WinXP)必要になる。 最終的にはPC1台あたり300ドルかかることになる。 100台のPCとなれば30,000ドルだ。 100台から300台のPCを所有している会社であれば、ライセンスだけで数十万ドルかかることもあるわけだ。

このように、費用を考えるとWindowsからLinuxに移行したくなるが、これは易しいことではない。 企業はなお、移行のコストとリターンを検討しなければならない。 それゆえ、一般的に移行計画は下記の点を含むべきだ。

PCの使用方法を分析すること。 我々は、どのプログラムが使用されていて、どのPCが管理業務にのみ–例えばワープロや表計算等–使用されているかをチェックしなければならない。 また、業務で使用しているプログラムが、どのプラットフォームの上で動作しており、どのような言語で書かれているか、またそのプログラムがインストールされているPCはどれか、等をチェックしなければならない。

集められたデータを元にして、初めて移行の展開範囲を分析することになる。 この分析であらゆる移行方法の可能性を探るのだ。

  • どのPCが、OSとOfficeアプリケーションも含め、100%移行可能か。
  • どのPCが、Officeアプリケーションのみ、つまり50%移行可能か。
  • どのPCが、移行不可能、つまり移行可能パーセンテージが0か。

 

上記シナリオに基づき、さらに経営陣に報告すべきコストを見積もる。 もちろん、理想ではすべてのPCおよびアプリケーションを移行したいが、私の経験上、それはまだ不可能だ。 企業の一部業務は既にマイクロソフトやプロプライエタリな製品によって囲い込みされているからだ。 悲しいがこれは事実だ。

■ケーススタディ:

このような例を考えてみよう。

ある中規模の広告代理店が、およそ300台のPCを各地にある支店に配置している。

近頃、マイクロソフト/インドネシアよりソフトウェアライセンスの監査をせき立てる文書を受け取り、経営陣は動揺している。 簡単に調べたところ、PC1台あたりWinXPが140ドル、MS Officeが150ドルかかると分かった。 最終的に300台のPCでは約9,000ドルと、サーバおよびクライアントライセンスとして、さらに1,000ドルほど必要になる。

 

さて。上記の分析方法によって、経営陣は下記のデータを得た。

  • 約30%のPCは、Officeを使用しているだけであり、それもワープロおよび表計算ソフトである。
  • 約50%のPCは、VBで書かれ、MS Windowsサーバで共有された経理システムを使用している。
  • 約20%のPCは、Clipper*1で書かれNovellサーバで共有された投資プログラムを使用している。
  • PCのスペックは初代PentiumからPentium4まで様々である。

 

ここで初めて我々は「何を移行できるか」という点で検討することが出来る。 今回は時間に限りがあるため、大きな問題もなく移行可能なPCのみ対象とすべきである。

と、いうことで、VBアプリケーションが動いているPCについては忘れよう。

 

Officeだけを使用しているPCについては、すぐにでも移行が可能だが、PCスペックが様々であるため、下記のように、細かく移行方法を設定しなければならない。

  1. 初代Pentium搭載マシンについては、Mandrake 9.0かRedHat 8に移行。
  2. Pentium2、3搭載マシンについては、Mandrake 9.2、10,0、RedHat 9に移行。
  3. Pentium4搭載マシンについては、FedoraCore4やMandriva 10.2など、最新のDistroに移行可能である。

 

Clipperアプリケーションを使用しているPCについては、Sambaによるファイルサーバと、dosemu(DOSエミュレータ)によって、Clipperアプリケーションを疑似することが出来る。

(訳者注: Clipperは日本ではあまりなじみがない[と思われる]ので詳細は割愛)

 

上記の方法により、この会社がソフトウェアライセンス費用に関して、相当量の効率化を図れる望みはある。 だが、私の経験上、移行を成功させるには、さらなる分析、検討が必要である。 それは下記の通りだ。

 

1. dosemuやSamba上で動くclipperアプリケーションの、さらなる総合的な互換性テスト。

いかにdosemuがDOS環境を疑似できようとも、所詮は疑似であり、私は様々なclipperアプリケーションに関して、100%の互換性を保証出来ないからだ。

 

2. Officeアプリに関しても同様だ。 OpenOfficeに移行出来ないような、MS Office独自の機能がないかどうか。 OpenOffice 2 beta1は非常に高いレベルでMS Officeと互換性があるが、まだ完全ではない。 もし互換性に関して問題が発生した場合には、その機能をOpenOffice上で作り直すことで解決出来るか、あるいは全く出来ないかを判断しなければならない。

 

3. もう一つ重要なことは、移行するすべてのファイルをバックアップすることだ。 例え問題が発生してファイルが破壊されても、ユーザはまだオリジナルを持っている。 私はこのような状況に陥ったことがある。 あるユーザがExcelファイルをOOcalcにインポートしたところ全く問題がなかったが、何度か使用しているうちに、突然ファイルを開けなくなったのだ。

 

4. 最後に、おそらくこれが一番重要なことだろうが、ユーザに「なぜ我々はLinuxに移行するのか」良く理解してもらうことだ。 ユーザが受け入れられる説明をしっかりと与え、移行に対して協力的になってもらうのだ。 そして、新しい環境、新しいプログラムのもと、ユーザが助けを必要とした時には、必ずそこにいること。 新旧両者の違いについて、分かりやすい説明をすること。例えば、「MS Excelではこのようにして印刷をするが、OOcalcではこのようにする」など。 そうすることで、ユーザ達は両者の同じようなところ、また違うところがハッキリと分かるようになるのだ。

 

以上が、私があなた方にお教えできるMS Windows環境からGNU/Linuxを基本にしたオープンソース環境への移行だ。

 

ポイントは、下記の一点。

論理的に明らかな解決法があるのに、なぜ数百万ルピアのお金をバラ巻かなければならないのだ?

 

情報までに、公には知られておらず、まったく目立ってはいないが、何社かインドネシアの大企業がLinuxへ移行している。 静かながらオープンソースの潮流はインドネシアで受け入れられ、成長している。

この記事が、ライセンス費用に関して何か解決策を求める人々の助けになることを願っている。

 

v.1.0 by ari_stress またの名を tiger74 あるいはまたの名を Fajar Priyanto

Jakarta, 17 September 2005. fajarpri at arinet dot org

MS Certified ProfessionalでありながらLinuxを愛してしまった男。

ジャカルタで自動車関連企業に勤めてます。

Last Updated ( Sunday, 18 September 2005 )

——————————————————————————

*1: (注: Clipperとはデータベースや業務システムで利用された言語。本来はDOSで動作したが、現在では様々なプラットフォーム上で動く。http://en.wikipedia.org/wiki/Clipper_programming_language

No tags for this post.

人間ドックとガラスのハート

Pocket

会社の福利厚生の一環で人間ドックに行ってきました。

直腸検診を担当したのが若くて綺麗な女医さんだったのでショックでした。

でも毛むくじゃらで脂性のお医者さんだったらと考えると、まだいいかなと思いました。

まったく関係ありませんが、俺は以前、ゲイ&レズの聖地、サンフランシスコ近辺に住んでいました。

聖地の辺りはどんなところかというと。

ある日、日本の本社からのお客さん(それなりに偉い人)をホテルに送ったのですが、フロントの兄さんは僕ら二人を見ると、「ツインでの予約だけど、ダブルに変える?」と言ったのでした。

フロントの兄さんは、さり気なく気を遣ったつもりです。頭に来ますねこの野郎。

聖地サンフランシスコでは6月最終日曜日にプライドウォークという、人権団体のデモ行進があります。実際には、ゲイやレズの皆さんが権利を訴える場です。

一年に一度の祭典ですので、全米からその手の方々が集まってきます。

もちろん、その中には一夜のラブアフェアーを求めてやってくる人もいますし、パートナーを探しにやってくる人もいます。

ある時、知人(女性)がゲイの友人に悩みを相談されたとのこと。

彼も祭典でパートナーと巡り逢いたかったのでした。

が。

「彼は私の体だけが目的だったのよ!」「むしろ彼は私の心をファックしたのよ!」

サンフランシスコの恋模様。

一般的に言って、ゲイの人たちはとても繊細なのです。

一方で、一部にはアグレッシブな方も存在します。

別の知人、これまた女性ですが、友人男性と本屋に居たところ、なんと見知らぬ男性がその友人男性にアタック。

実は町のあちらこちらには、知る人ぞ知るゲイの”ナンパスポット”なるものが存在するのですが、その本屋がまさにナンパスポットだったそうな。

その女性は、「私と一緒に歩いてんのにナンパするとは何事か。」「つまり何? 私は彼の彼女には見えなかったってこと?それとも『あの女からなら余裕で奪える』とでも思ったの?」

もちろんその女性は交際関係になかったので、別にナンパが成功しようが構わないのですが、女性としてのプライドが傷ついたらしく憤慨してました。

ちなみに、僕自身、その本屋の並びのレストランで食事をした際、ウェイターに激しく見つめられた経験があります。舐めるように、ねちっこく見るんですな。

なんとなーく、身の危険を感じたものです。

直腸検査の後の、お尻に残る異物感から以上のようなことを思い出したのでした。

余計な想像をして寒気がしたので今日は「ですます」調。

No tags for this post.

インド人とマトリョーシカと仕事の愚痴

Pocket

南の島は物価が安かった。なんてったってタクシー初乗り50円である。

ちょっとした夕日を眺めるようなレストランで、ビール飲んで色々食べても大した額にならない。

素敵だ。

でも、物価が安いってことは労働力も安いわけで、こういう国の人たちが本気になると、とってもこわい。

さんざん言われていることだけれども、シリコンバレーでは、インド系技術者の台頭が目覚ましい。なぜかと言えば、安い割に優秀だから。

「彼らの言語がプログラム言語と似ているから」、あるいは「彼らは貧乏なので潤沢なメモリを買えず、効率的なプログラムを書かざるを得ないから」、技術者として優秀なのは当然だと、自分たちの自尊心を守るような分析がされていたこともあったが、今ではもう誰もが認めている。

カレーの香りを身にまとい、サーバーダウンをサルバルドン(ルはすべて巻き舌)とか恐ろしい発音で周りの人を驚かせながら、安くて優秀な人、高くて超優秀な人が各所に進出しているのである。

そのあおりを食らうのは、元のシリコンバレー住人達。

車のディーラーに行ったら、やたら各メーカの高級車に詳しい営業がいて、話を聞いてみると「元」高給取りの技術者だった、とかいう話もある。

俺なども、あるゲイジュツの集いとやらに参加したとき、IT系企業をクビになって、肩もみ会社を興したという娘軍団に会ったことがある。(ちなみに、マッサージは下手くそだった。彼女たちの行く末は非常に不透明と言えよう。)

そんなわけで、シリコンバレーでは一部のスーパー技術者/研究者を除き、中流以下の人間はもうどうにもならない状態になっているのだった。

日本はといえば、今のところ2byte文字の日本語バリアーにヌクヌクと守られている。日本語ムズカシイからな。

あるいは難解な仕様書か。

俺の勤めている会社で作成される、あるいは使用している仕様書は複雑怪奇で実態がない。俺個人はタマネギ仕様書またはマトリョーシカと呼んでいる。

分からないことがあって仕様書を開くと、「この部分の動作はコレコレこうあるべきで、その他は前決めた仕様書と同じ」と書いてある。で、その「前の仕様書」を開くと、そこも前の前の仕様書との差分しか書いてない。

賢明な読者の皆さんならもうお分かりであろうが、どこまで仕様書を追っても、結局疑問は解けない。タマネギの上っ面と、あるかないか分からないようなコンセンサスだけで開発を進めていくのだ。

インド人、あるいは他の国々の人たちが、バリアを物ともせず攻めてくる前に、肩もみの腕を磨くか、車の勉強するか、はたまた物価の安い国で日本人相手にレストランでも始めた方がいいのだろうか、と写真のレストランで日本円で百いくらの生ビールを飲みつつ俺は思ったのだった。

追記。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0509/06/news093.html

オフショア市場に異変――多国籍企業との競争にさらされるインド企業(ITMedia)

No tags for this post.

南の島と棺と詩人

Pocket

休みを取って、逃げるように南の島に行ってきました。

猥雑で清浄なところでした。

今は休みからのリハビリ中。

旅という非日常から、勤め人らしい、毎週決まったことをするルーチン的日常に戻るリハビリです。

そういえば小学生の頃の教科書で通勤電車を棺に例えたエッセイか何かを読んだ覚えがある。毎週同じ事をして暮らすうち、色々な感性が摩耗して死んでいくのだろう。

チャップリンが自伝で「この世で素敵なものベスト3」を挙げていた。第2位が詩人。

なぜかというと、詩人にとっては、すべてが、いつでも新鮮だからだそうだ。

例えば朝起きて窓の外を眺め、「空!でかい!青い!」「太陽!まぶしい!暑い!」「雲!白い!動いてる!モコモコ!」と、まるで初めて見たかのように感激をし、新しい発見ができるのだ。毎日ハイテンションで暮らしていけると言えよう。

逆に俺のような薄汚れた大人は今さら雲を見たって「雲」という記号でしか認識しない。何も視覚だけでなく、五感というI/Oデバイスから入力される外部刺激に鈍感になってるのだ。

でも、戦う勤め人達は、そうやって鈍感にならなければ、毎日やっていけないのかもしれない。

チャップリンが素敵なもの第一位に挙げたのは何か、というのは自伝をぜひ読んでください。第三位は忘れた。そもそも第三位は触れられてなかったかもしれない。

No tags for this post.